第157回大幸ライフトピア連携研究会(保健学セミナー)
・日程:2024年8月7日(水)16:30〜18:00
・テーマ「世界をリードする日本の尿酸研究とその未来」
・講師:大橋勇紀先生(総合保健学専攻 ヘルスケア情報科学 助教)
・開講形式:対面
・場所:大幸キャンパス 本館2階 第2講義室
・対 象:学内大学院生、学部生、教員、医療従事者
・概要:かつて痛風は「Disease of Kings(贅沢病)」と呼ばれ、かの有名なアレクサンダー大王からレオナルドダヴィンチまで、西洋の歴史上に名だたる偉人たちを苦しめてきましたが、実は日本では、昭和初期に初めて報告された歴史の浅い疾患です。ところが、人々のライフスタイルがここ数十年で激変したことにより、現在では本邦の痛風患者は120万人を超えるまでに急増しました。このような背景を受け、痛風とその基礎病態である高尿酸血症に関する研究の進展に、日本の研究者たちが多大な貢献をしてきました。先達によって耕された研究土壌は創薬領域へも展開し、「フェブキソスタット」「トピロキソスタット」「ドチヌラド」という3つの日本発の画期的な新薬が登場しました。研究・創薬領域において、日本は世界をリードする「尿酸先進国」であるといえます。
演者も日本の尿酸研究者の1人として、主に疫学的な手法を用いて臨床的な課題解決に取り組んできました。本講義では、尿酸研究のこれまでの知見や、演者が実施してきた臨床研究の経験を共有し、尿酸研究の魅力をお伝えします。また、本講義から尿酸関連のみならず、分野横断的な気付きが得られる時間になれば幸いです。